松崎シゲルの憂鬱
「色白の人間には興味はありません。ビーチバレーの選手、ボディビルダー、エディ・マーフィー、梅宮辰夫がいたらあたしのところに来なさい。以上!」みたいなライトノベルは、今のところまだ発売されてない。そして「分裂」以降もいまだ発売されてない。ということはつまり、しげらないなら流れない。だとしたら「椿三十郎」を見るつもりもない。そのような気持ちなのです今は。だって公式サイトで粗筋をチェックするまでもなく、「チャンバラは会議室で起きてるんじゃない!太秦で起きてるんだ!」と叫んだり、ラ、ラ、ラ、ラブサンバデー!という謎の呪文で敵を弱らせてから一網打尽にしてしまう時代劇だというのはもう、残念ながら明白ですから。ちなみに当方、三十という数字を見ると胸にちくりとした痛みを感じる理由はわかりませんが、三十四郎じゃなくてよかったとは心底思っていますので、だとしたらそういう意味ではむしろ、「蕾十四郎」とかにしていただきたかった。文字通りいろんな意味でまだ芽生えていない、ちょんまげに毛が生えているかどうかも怪しい中学生が、進路希望に「剣の道」と書いて先生にこっぴどく怒られた腹いせに、つい峰打ちをしてしまい停学ドーン!という物語のほうがそそられるじゃないですか。あまつさえ主演が神木隆之介さんだったなら、何かしらムラムラっとしそうでもありますが、とはいうものの、映画をいっしょに見に行ってくれるような人はいるの?と聞かれても、母親の顔しか思い浮かばない人間ににいったいどうしろというの?