あさっての方向
同期社員の中では僕に勝るとも劣らないくらい周りから煙たがられている森山直太朗くん(仮名)が、手作り壁新聞風の社内だよりにて、自分の趣味である釣りについて書き綴っているのが目につきました。目につかざるをえませんでした。というのも彼の文章量が社内だよりのレベルをはるかに超えていたせいで、編集後記のスペースが圧迫されており、いつもより小さくなってたからです。仕事以外のところで張り切ってしまっている点については、僕にも山ほど覚えがあるのでつべこべ言えないのですが、文章のいたるところに2ちゃんねるでよく使われてるような顔文字の類が散りばめられているのは、さすがにちょっと。読んだひとの大半が、ちょ、おま、実はインターネットが一番の趣味だろwwwみたいな気持ちになってしまうのはもはや避けられない状況というか、別のところにもっと大きな問題が潜んでいるような気がしないでもありませんが、でもこれは、森山直太朗くん(仮名)よりむしろ、発行元である総務部の弾幕の薄さが引き起こした悲劇なのですきっと。彼の今後のことを案じれば、心を鬼にしてダメ出しするべきだったのです。思わずほろり、と涙が出ました。最後の行には「釣り仲間募集!(先着20名)」と書かれてありました。太字で強調されていました。大きく出るにもほどがあるというか、森山直太朗くん(仮名)の頭の中でなにとなにがどうケミストリーして応募者が殺到している未来予想図が完成したのか、今のところ理解する予定はありません。
- 作者: 平倉信行、田嶌道生
- 出版社/メーカー: ドレミ楽譜出版社
- 発売日: 2005/07/06
- メディア: 楽譜