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しりまんと!

「よう、マイト。また会ったな。四連休は楽しんだかい?えっ、それは俺だけってか。ワッハハハ、ズル休みは楽しいなあマイト。まあ、小さいことは気にするな。俺のパトリオットも小さいが、気にはしていない。絶対に、完璧にだ。用を足すだけならこのサイズでじゅうぶんなんだって…。本当だ、信じてくれマイト…。というか四連休中は、まあ大変だったよ。あまり思い出したくもないが、これだけは言っておく。俺の打っていたパチスロバイオハザードは、設定1だ。絶対に、完璧にだ。それともうひとつ。5万円など、あっという間だ。絶対に、完璧にだ。それにしてもあの店だけは、ん?今、流れ星が見えなかったかマイト?いや違う、銀じゃないって。あんな目をした犬はこの世にはいない。モノホンのシューティングスターが見えたんだよ今。えっ、気づいてたって。ふうん、ちゃんと願い事したんだ…。あいかわらず抜け目のないヤツだな。で、何をお願いしたんだ?なんだよおい、教えろよ。恥ずかしがらずに言えよマイト。ふむふむ、ふむふむ。ほ、ほほう、すごいな…。さすがの俺もそのワードは自粛しておくよマイト…。日記ソウルがせっかく半年ぶりに甦ってきたというのにだ。そんなふしだら極まりないワードを書いたが最後、退会させられるに決まっている。絶対に、完璧にだ。うむ、ちょっとそれは避けマイト。おおっと、今のは笑うところだぜマイト。ふん、まあいい。話を戻そう。というか俺の願い事も聞いてくれよマイト。おお、すごく食いつくのな。そうか、そんなに聞きたいか。そんなに俺に興味があるのか。しかし俺の全てを知ってなお、まだ俺のことを愛し続ける覚悟はあるんだろうな、ええ?ええー、ちょ、そんなめんどくさいヤツを見るような目で俺のことを見るなよマイト。うん、まあ、俺はさ、謙虚さだけがウリの男だろ。だからさ、ただワイフと息子が健康でいてくれて、笑顔でいてくれたらそれでいい。俺の唯一にして無二の願いさ。もちろんウソだ。ウソに決まっているじゃないかマイト。そもそも俺は独身じゃないかマイト。女性はもう紙かjpgでじゅうぶんだって、ヒデユキ・クラタも言ってたよな。俺もそれでいいと思うよマイト。だから俺は、流れ星に願い事など決してしない。そんなヒマがあるならダウンロードボタンをクリックするだろうさ、俺は。だがあえて言うならマイトよ、あの流れ星が会社の上に落ちてたらいいとは思っている。絶対に、完璧に、木っ端微塵だ」

流れ星が消えないうちに

流れ星が消えないうちに

  • 作者: 橋本紡
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/06/30
  • メディア: 文庫

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