書かぬなら、殺してしまえと言わないで

今回こそは、と思いましたがやっぱり無理でした。無常なまでに時間だけが淡々と過ぎてゆき、指先には何の感触もありませんでした。デーデーデデー、デッデデッデデデデー。時間切れです。ふりだしに戻ります。また最初からやり直し、終わりなきループ、あっという間に自業自得地獄の出来上がりです。あともうほんの少し、力を加えるだけで終わるのに、それができずに躊躇してしまうのです。弱い自分がひょっこり顔をのぞかせます。踏ん切りがつかなくて、結局何もなかったことにしてしまおうとするのです。分かち合うことが怖くて、向き合うことがつらくて、先に進めません。惜しかった、と声に出したところで虚しい気持ちが増すばかりで、何もかもがいやになりました。逃げてしまえ、逃げてしまえ、逃げてしまえ。もうひとりの僕が僕に、甘く、口臭く、囁くのです。誘惑に抗えず、さささっとブラウザを閉じました。あとは見ての通りです。見渡す限り、一面のやる気のなさです。このような腑抜けに2日連続で日記を更新できるはずがありません。2日連続で日記を更新するまでは故郷に帰るまい、と心に決めてからもうかれこれ5年になりますが、夢は夢のままで果てがなく、波のように近づいては遠ざかり、2日連続で日記を更新しようとする僕をもみくちゃにし続けました。でもそうやって翻弄され続けながらも、いつまで経っても2日連続で日記を更新して故郷に錦を飾りたいという気持ちが捨てられず、中途半端に衝き動かされるまま日記を書き続けてきました。いつかは僕にも右に錦織一清、左ににしきのあきらをそれぞれ従え、ニシキヘビを首に巻きつかせる日が来るのかもしれないと思いながら。2日連続で日記を更新した暁には、凱旋パレードで故郷の村を飽きるまで回れると信じて。「2日連続更新おめでとう!」「おまえさんはこの村の誇りじゃよ!」「あんた、よくやったよ!」「うむ、できるとは聞いていたがまさかここまでとは!」「さすがは田中さんところの息子じゃのう!」「メールフォームから悪口ばっかり送信してごめんなさい!」「がんばってください!柱の陰からひっそりと応援してます!」「これだけははっきり言っておくが、彼のアソシエイトIDはjetkilee-22だ!」「おお、そうかそうか。明日にでもさっそく川向こうの尼村へ行くぞなもし!」「ごめんなさい。これからもいい友達でいましょう…」「えっ?そうです、彼も変なおじさんです」「あくまで羊ですから」「メェー!メェー!」「次はぜひ3日連続更新を!なにとぞ!よしなに!」「いや待て、公民館2DAYSのほうが先だろうが!」「願わくば温かいスープと着痩せする服が彼に与えられんことを…」などなど数多の喝采を浴び、村のそこかしこには2日連続で日記を更新した男の銅像が建てられて、エロかわいいブームは過ぎ去り、エロいやらしいブームが巻き起こり、2日連続で日記を更新した男の象徴、ともいえる包茎であることが全国的によしとされ、逆包茎手術という発想さえ生まれ、ゆくゆくは宿敵でありますところの三日坊主の野郎もぎゃふんと言わして、それを見ていた女子高生のみなさんからきゃあきゃあ言われて、ひいひい言わせて、ふうふう言わされて、なんか出ちゃったりしながら有罪と無罪の狭間を軽やかに駆け抜ける。そんなババ色の未来を夢想しております。だから何ヶ月か更新が途絶えたら、塀の中にいてると思ってください。迷走は、続きます。

motto☆派手にね!(かんなぎ盤)

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