サイドバーと僕

そう、サイドバーと僕との関係はまるで男と女のそれだ。出会いと別れの繰り返し。時には恋に落ちたりすることもある。今のサイドバー、サイ子との出会いはほんのささいな偶然。なんとなくデートを重ね、なんとなく距離が縮まり、僕は彼女のことをさいこりんと呼ぶようになり、ごく自然に一緒に暮らし始めた。今ではお互いにとってお互いがかけがえのない存在になっていた。いたはずだった。なのにいつからなんだろうね、僕たちがすれ違い始めたのは。


サ「もうあなたにはついていけない」
僕「な、なんだよ藪から棒に」
サ「前々から言おうと思ってたんだけど、あなた色使いのセンスがなさすぎるのよ」
僕「痛いトコ突くねーおまえ」
サ「ぶっちゃけ黒背景とかありえないんですけど」
僕「俺は黒が好きなの!つかおまえだってシックでいいねとか言ってたじゃん!」
サ「あなた必要以上にスタイルシートいじくり回してるからほっといてもそのうち気づくと思ってたのよ」
僕「必要以上にってちょっと傷ついちゃったよ俺」
サ「わたし、一度でいいからid:jwjさんやid:kamiokaさんみたいなダイアリーに住んでみたいな」
僕「いやあんなオサレダイアラーになれるわけないから」
サ「違う!そんなこと言ってるんじゃないの。わたしはあくまでサイドバー、主役はmainちゃんなの。だからさりげなく主張しすぎずに横にいたいの。なのにあなたはそんなわたしの気持ちにちっとも気づいてくれやしない。もう、私、そんな生活に疲れたの。あなたが毎晩私を求めてくるのにも疲れたの!もう一緒のベッドでは寝たくないの!」
僕「最後のへんは明らかに無関係だよね」
サ「あとあなたね、他の人のスタイルシートをガン見しすぎだと思う」
僕「それはあれだよ。何事も上達したければ真似することから始めろって言うじゃないか」
サ「でもあなた基本コピペじゃない。パクパクする気満々じゃない」
僕「お、おいそんなこと大声で言うなって!あの後ろに座ってるハゲ頭がはてなダイアラーだったらどうすんだよ」
サ「どうせあなたもあんな頭になるくせに。ハゲ散らかしちゃうくせに」
僕「否定できないところがつらいよね」
サ「さて問題です。そんなあなたのダイアリーがはてなスタイルに補足されてるのはなぜでしょう」
僕「まあ、認められてる、のかな」
サ「残念でした。ブー!正解は、単に晒されてるだけでした。ププー」
バチン!
僕「あっ!ごめん、思わず手が出ちゃった……」
サ「ひどい!わたし近藤さんにもぶたれたことないのに!しなもんちゃんにも吠えられたことないのに!」
僕「誰だよそれ」
サ「はてなの偉い人とはてなの偉い犬よ!」
僕「へー」
サ「もういい。やっぱりわたし達しばらく距離を置いたほうがいいわね」
僕「そうだな」
サ「このまま一緒にいても傷つけ合うだけだから。もうわたし黒いものを見ただけで吐き気がするし」
僕「えらくまた大袈裟だけどお前がそう言うんならしかたないよ」
サ「じゃあ、わたし行くね。……さよなら」
僕「うん。でも、俺はさよならは言わないでおく」
サ「あなたのそういうところもあんまり好きじゃないのよね」


こうして僕たちは別々に暮らすことになったのだけれど、1人になってはじめて、彼女の存在の大きさに気づいた。今すぐにでも彼女とよりを戻したいのだけれどそれはもう少し色使いのノウハウを覚えてからにしようと思う。果たしてそれが1ヵ月後なのか1年後なのかは分からない。自分が何を書いているのかも分からない。次からはサイドバーを外しましたって普通に書こう。