平松愛理風に言うなら鍋焼きうどんとスラダンと僕

スラムダンク完全版の16巻といえば、桜木花道が仙道、魚住といった超高校級プレイヤー率いる陵南高校と対峙することによって、彼の中に眠っていた潜在能力が爆発的に引き出されていく様子に鳥肌を立てて読むのはもちろんのこと、というかそれ以上にある意味僕たち読者が最も感情移入しやすい登場人物と言える木暮(メガネ)が、パスッて3点シュートを決める場面と回想シーン、そしてその後に陵南高校の名将、田岡監督がポツリと呟いた一言で、そらもうどうしようもなく涙腺が揺るませられてしまうじゃない。水野晴郎がうっかり「いやあ、漫画って本当にいいもんですね」て口を滑らしたところで誰が文句を言えるのか。


鍋焼きうどんといえば、すでにうどんとして成立した中によせばいいのに穴子、カマボコ、半熟卵、鶏肉、白菜まで入れたりして明らかにやりすぎなのだけれど、これがまたお互いを殺すどころかむしろ絶妙なハーモニーを奏でてしまったという奇跡。あと仮に1人暮らししてるとして、鍋食いたいなーでも1人鍋とか切なすぎるしな…みたいな場合、鍋焼きうどんを作ることで全てが丸くおさまりそうな感じがするし、かも海原雄山が「これこそが至高のメニューである」と言ったかは知らないけどとにかく鍋焼きうどん、お前を愛している。お前の全てが欲しい。


先週末から、もう3月やぞ。ええ加減空気読んだらどやねん。どやさ。程度の寒い日が続いたところに昨日の晩ごはんが鍋焼きうどんだったりしたので思わず母親に、僕、あんたの子供に生まれてよかったよ……と今更感謝の言葉を述べたら気味悪がられました。ところで、うどん、そして焼きそばとかお好み焼きをおかずにごはんを食べる人の気持ちが分かりません。わたしそんな人とは一緒に暮らせません。実家に帰らせていただきます。と口走る輩がいるらしいですけど、そういう輩に限ってラーメン屋で普通にラーメンライスを注文しよりますからね。なめとんか。やしきたかじん口調でなめとんか。そんなことはさておき鼻水垂らしながら、そのせいで若干塩分が増したもののそれでもやはり鍋焼きうどんはあったまるし美味いし言うことなしで完食しました。あ、鍋焼きうどんはちょっとカチカチになったくらいの冷めたごはんの上にのっけながら食べると美味さが倍増しますよ。んで後片付けするべく鍋を持ち上げたところ、ちゃぶ台の上で前述した田岡監督とばっちり目が合いました。目が合った?うん、目が合った。鍋の底に敷いてあったそれは、元・スラムダンク完全版の16巻。そして現・鍋敷き。いやいやいやいや。おかん何してくれてんねんほんのり田岡監督焦げてますやん。なぜ16巻を選んだのか、その理由を教えてほしい。表紙で選ぶなら22巻だろ普通。と思いつつ「ショッピングカートに入れる」をクリック(税込980円)。

SLAM DUNK 完全版 (16)

SLAM DUNK 完全版 (16)

  • 作者:井上 雄彦
  • 出版社/メーカー:集英社
  • 発売日:2001/10/19
  • メディア:コミック

SLAM DUNK 完全版 (22)

SLAM DUNK 完全版 (22)

  • 作者:井上 雄彦
  • 出版社/メーカー:集英社
  • 発売日:2002/01
  • メディア:コミック