新赤穂浪士

この合言葉は、多くの日本人が大好きな稀代の仇討ち事件・忠臣蔵赤穂浪士たちの合言葉だそうです。赤穂浪士たちは、暗い屋内でも、間違えて味方を攻撃しないように、こうした合言葉を決めていたわけですが、これは戦国時代の合戦でも同様ですね。

確かに「山」ゆうたら「川」という合言葉は、数年前、僕が赤穂浪士という名前のユニットに参加していた時に思いついたものです。このユニット、今はもう方向性の違いを理由に解散してしまったのですが、当時の僕はドラム(兼討ち入り)を担当していました。そもそもは吉良の野郎が「僕が新世界の神になる!」とか言い出すもんで、ちょっと成敗しとく?みたいな軽いノリでユニットを結成しました。で話を戻すとほら、吉良家って意外と真っ暗じゃないですか。あいつ、「電気代、もったいがな!」って死ぬほどケチなんですよねえ。そのへんも大石さんはカチンときていたようですけどとにかく、敵か味方かわかりづらいのはすごぶる危険です。闇雲に突撃するわけにもいきませんし、やらかしてもうてから仲間だと気づいて土下座しても、当然もう手遅れです。そりゃあ、その時は許してくれるかもしれませんけど、一緒に風呂入るときとか、やっぱり傷口とか見ちゃうと気まずくなるに決まってます。さすがに日本刀で斬りつけたぐらいで死んだりしないとは思いますが、テンションは下がる。それはまずい。そういう意味での戦力ダウンは避けるべき。というのも赤穂浪士はたかだか47人です。AKB48より1人少ないです。かといってスパルタ兵ばりのスペックも持ち合わせていませんし、マッスルのようにうまいことスローモーションになってくれたりもしません。だから吉良家で誰かと鉢合わせた場合、めんどくさかろうがそのたびに、合言葉で確認すべきだと大石さんに僕は提案したのです。でもこの作戦、今だから言えますけど、あんまり実戦向きではありませんでした。むしろはてしなくリスキー。練習とちがって当日は、味方かどうか定かでない人間を前にして、「山」とか呑気に言ってる余裕は僕たちにはありませんでした。だって、確認してる間に斬られますよね普通。そんな意見が反省会の時にも出ました。ここだけの話ですけど僕自身、ぶっちゃけ合言葉なしでいきなり斬りつけたりもしました。吉良です…みたいな匂いがぷんぷんしてたからつい。すいません。


赤穂浪士のおでましだ!」


なんかこの方法めんどくさいよねってってことで大石さんは幽幻兵士を召還しました。そんで当主もろとも吉良家を皆殺しにしたのですが、彼が究極の三馬牌の持ち主だということは、もちろん内緒です。よって討ち入りが成功したのは合言葉のおかげだ、ということで口裏を合わせておくことになりました。するとテレビ局がこぞってちょっといい話みたいな感じでニュースに取り上げるもんですから、あっという間に日本中が合言葉ブームに沸きました。メディアの力って、ほんとに怖いです。あまつさえ今なんて、いろんなバリエーションが生まれています。例えば兄弟船に乗ろうとした場合、チケットの代わりに合言葉が必要になるわけです。「山といえば、何?」と、真顔で問うてきよるのです。すわ何事かと問われた側が動転し、苦し紛れに「…川恵里佳?」と答えようものならカモメはざわつき、海面はぐいと上昇し、どこからともなく現れた鳥羽一郎にボコられます。いやもしかすると長野誠(SASUKEオールスターズ)かもしれませんが、いずれにしろ海を愛する男にちがいなく、投網でぐるぐる巻きにされ海に投げ込まれて魚の餌になるのがオチです。ましてや「…下しげのり?」などと答えた場合はきっと、空気が軽く冷え込んだりしてしまうじゃないですか。うん、パッカ〜とかもういいのです。そこはもう何食わぬ顔で「…川豊?」と答えるよう、じゅうぶんに注意されたしです。「山」ゆうたら「川」の一点張りが通じる時代はもう終わりました。「アン」なら「ニュイ」だし「フェミ」なら「ニン」です。うちの母親はゴーヤのことを「ゴーヤちゃん」と呼びます。だったら「ゴーヤチャンプルー」も「ゴーヤちゃんプルー」でいいじゃないですか。そういうことでいいじゃないですか。

人類は衰退しました

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