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最終日17番ホール、グリーンにて

「「どうもー」」
「まあそういうわけでね、なんちゃらマスターズも今日で最終日いうことでね、がんばっていかなあかんなあ言うてるわけですけども。ねえ、藍ちゃん」
「優勝してがっぽり賞金もらわんとなーさくらちゃん」
「めっちゃ笑てる。めっちゃ悪い顔になってる」
「それはそうと、あんたそのウェアちょっと丈が短かすぎるのとちがう」
「またヘソ見えとるって協会のハゲオヤジに怒られるやろか?」
「あいつらほんまうざいわー女子ゴルフの人気を誰が支えてるか全く分かってへん」
「まあ、ここだけの話、わたしらがおらんかったら大変なことになっとるわな」
「やろ?文句言うヒマあったら頭下げに来いっちゅうの」
そんな2人に小走りで近づいてくるずんぐりむっくりした女性が1人。
「あんたら私語禁止!チンタラしとったらいてまうどコラ!」
「「裕理姉さんすいません!」」
不動裕理だった。3人は同じ最終組なのだ。
「わたしそこで一服しとくからさっさと終わらすんやで」
グリーン脇でショートホープを吹かしはじめる不動をよそにまた会話をはじめる2人。
「オバハンうっとおしいな」
「パターでどつき回したろかいな」
「物騒なこと言うたらあかんで藍ちゃん。まあまあここは先輩の顔を立てとこやないの」
「しゃあないなあ。ほなわたしから打つで」
コンッ
コロコロコロ…
「うわっ、このグリーンめっちゃ曲がるやん!ずるいわさくらちゃん!なんで教えてくれへんのん!」
「そういうのは自分のキャディーさんに聞いて!」
「無理無理。あのひとアホかいうくらい口臭いねん」
「さっきから何のニオイか思てたらそれやったんかいな」
「初日はそうでもないんやけど、だんだんやばなってきてな」
「もしかして、それでスコア落としとんの?」
「そういえば、あんたもスコア落としてるやないの」
「うちはオヤジがしょうもないことばっかり言うてきよるから」
めちゃイケ出てから更に調子乗っとるね」
「すでにタレント気取り」
「さっきもサインとかしとったで」
「きっついわー」
「あんたらまだ終わってへんってどういうことやの!」
ずんぐりむっくり再登場。足元には吸殻の山が。
「「不動姉さんすいません!」」
「あと1本吸い終わるまでに打ち終わらんかったら殺す」
…懲りない2人はまたぼそぼそと会話をはじめる。
「返り討ちにしたるっちゅうねん!」
「マウントでボコボコやな」
「でも確かにあのオバハン、ゴルフは上手い」
「ゴルフだけは上手い」
「今かて、えっと、2ストローク差やもんな」
「まあ、でも、ついて来てくれてるギャラリーはこっちのが全然多いから」
「1000ストークぐらい勝ってる」
「ついて来てくれてるだけにねえ。ってうまいこと言うてる場合と違うでさくらちゃん!」
ずんぐりむっくり再々登場。
「そうそう、試合に勝って勝負に負けてる涙の賞金女王!っておどれらさっきから全部聞こえとるわ!ほんまええ加減にしいや!藍ちゃんやろー。さくらちゃんやろー。そやのになんでわたしだけ不動さん呼ばわりやねん!わたしゃ土地ころがしかボケー!もうええわ!!!」
「「「しっつれいしましたー」」」

かしまし ガール・ミーツ・ガール(1)

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